第4回京都CS決勝1回戦:さいたま vs. トランザム
決勝1回戦;さいたま vs. トランザム
2015年から始まった、デュエル・マスターズの調整チームブーム。
その火付け役となったのは、MTGの「Hareruya Pros」に影響を受け立ち上げたという、「Team Heaven's Dice」の結成だ。
それを皮切りに、「原一派」や「紅茶派閥」などといった、強豪プレイヤーを擁する調整チームが乱立。
同じユニフォームを着用したり、オリジナルのプレイマットを敷く彼らはCS会場において一目置かれる存在となる。
当時のチームブランドというのは凄まじく、関東で言えば赤や黄色のパーカー集団、関西で言えばいわゆる「刃鬼プレマ」が纏うオーラは他のプレイヤーの比ではなかった。
あれから2年。
ブームの火付け役となったHeaven's Diceは主要メンバーの生活環境変化により活動を一時休止中。
他のチームも解散や休止、また調整チームとしての活動から方針転向したチームも。
黎明期に結成されたチームで今も活動を続けているところは、筆者の記憶している限りではあまり多くはない。
もちろん、衰退の陰には新たな光もある。
ここ最近で頭角を現したプレイヤーたちが次々と新たなるチームを結成。関西で言えば「envy&clowns」が代表的だろうか。
そして、黎明期より存在する全てのチームが活動を終えたわけではない。
進化、変化を遂げ、現在まで続く関西を拠点とする2つのチーム。
少しずつ新メンバーを加えつつ、主力メンバーが関西トーナメントシーンの第一線で戦う「Mystic Plant」。
関西外にもメンバーを擁し、積極的な動画投稿など、競技シーン以外での活動も精力的に行い続ける「AQUAWAVE」。
前置きが長くなったが、ベスト16ではこの2チームの激突を見届けようと思う。
フィーチャー席に座るのは、MysticPlantのさいたまとAQUAWAVEのトランザムだ。
ベスト8を決める戦いであると同時に、チーム同士の代理戦争としての性格も併せ持つ一戦。
お互いのデッキは環境を代表する2つの激突。モルトNEXTと白緑メタリカだ。
トランザムの先攻。
だがトランザムに2ターン目の動きはなく、先に動いたのはさいたまの《メンデルスゾーン》2ブースト。
出足が遅れたトランザムは《奇石 タスリク》で減速を図る。
が、この《タスリク》は呪文妨害に引っかからない《無双竜鬼ミツルギブースト》により破壊され、マナも危険水域まで到達。
トランザムは《龍装者 バーナイン》ワンドロー、生き残ることを祈ってターンを返す。
さいたまにも大きなアクションはないものの、ノーチャージからの《ミツルギブースト》で《バーナイン》を破壊。トランザムにとっては嫌らしい一手。
トランザムは再度《バーナイン》を展開し、プレッシャーをかける。
…ものの、この《バーナイン》も《伝説のレジェンド ドギラゴン》によって討ち取られる。
トランザムは6マナで《一番隊 クリスタ》《赤攻銀 マルハヴァン》と展開し、防御壁を作る。
《バーナイン》2枚を処理されながらも祈るように勝ち筋を探す。
そんなわずかな負け筋ですら、少しずつ消していくのが真のNEXTの名手。
さいたまは《超戦龍覇 モルトNEXT》の展開に成功。
ここで選んだのは《闘将銀河城 ハートバーン》などの攻めの一手ではなく、《覇闘将龍剣 ガイオウバーン》による《クリスタ》破壊。
徹底的に速度を削がれたトランザム、虎の子の《バーナイン》を繰り出す。
が、MysticPlant随一の龍使いは、もうトランザムのシールドに照準を合わせていた。
《次元龍覇 グレンモルト「覇」》召喚、《無敵王剣 ギガハート》を装備しながらのWブレイク!
ここを通し、起死回生のトリガーに賭けるトランザム、盾を見て考えるも…目当ての《攻守の天秤》はそこにはない。
《レジェドギ》攻撃を苦し紛れの《マルハヴァン》ブロックで止めるものの、もう遅い。
龍解した《最強熱血 オウギンガ》ですぐに殴らず、トリガーをケアしながら殴る徹底的な詰め将棋。
わずかに残った《攻守の天秤》トリガーという勝ち筋まで潰されては、今のトランザムにはどうすることもできなかった。
Winner:さいたま