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第2回はっちDMCS決勝第1回戦:ライネス vs. 天津飯

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 第2回はっちDMCS
 決勝第1回戦:ライネス vs. 天津飯

 


 未曽有の酷暑に数多の気象災害、文字通り嵐のようだった夏もついに終わりを迎えた。
 季節は秋。秋といえば、その名を枕詞にした言葉が多い。
 食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋…………

 ハリケーンなんば店で行われた第2回はっちDMCS。
 ここに訪れていたのは……

 

 

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 《オールデリート》の秋。

 第2回はっちDMCSでは、撃つだけで全てを滅ぼし、封印に隠れた《伝説の禁断 ドキンダムX》によって勝負を決めることができる《オールデリート》を踏み倒すデッキが上位卓に大量発生。
 中国地方のカリスマ、ナツメ&ぎゃる男のタッグが《星龍の記憶》軸のダーツデリートを持ち込んでいたり、予選最終戦の1敗ラインにも《海魔城ティーツー》デリートが生き残っていた。
 誰も予想できなかった大量テロリスト出現。環境は荒れに荒れまくり、予選卓は混沌に包まれていた。

 が、今回のはっちDMCSで予選突破が許されているのはたったの8人。
 7回の予選でテロリストたちはふるいにかけられ、《オールデリート》の秋は終わった…

 かと思われたが、ここに1人。
 予選最終戦の時点で全勝。最終戦で負けてしまったが、6勝1敗で堂々のトップ8入り。
 《サイバー・I・チョイス》の裁定変更によって成立したあのデッキ。

 《遣宮使 ネオンクス》デリート。
 ラスト・テロリストとして、それを操るライネスがこの場に立っていた。

 それを知ってか知らずか、対戦卓に着いた天津飯。自身が所属する調整チーム「envy&clowns」のプレイマットを敷く。
 彼のデッキは赤白《“轟轟轟“ブランド》。環境きっての速攻デッキを相手に、ライネスが自らの手札で勝負を決めることは不可能だろう。

 6枚の封印と共に、運命のシールド5枚をセット。
 駆け抜けるか、滅ぼすか。一瞬たりとも気を抜けない攻防が始まる。

 

 先攻:ライネス

 ライネスは《失われし禁術の復元》セット、対する天津飯は《スチーム・ハエタタキ》セットでエンド。
 1コストに恵まれない天津飯をライネスの《ルソー・モンテス》が襲う。
 ハンデスされたカードは…《ヘブンズ・フォース》!大幅な減速が期待できそうだ。
 さらにライネスが捨てたのは《サイバー・I・チョイス》。この瞬間、天津飯は《法と契約の秤》を撃たれる5ターン目までに勝負を決める必要が出てきた。
 天津飯は《轟車 “G-突“》召喚でエンド、手札をなかなか吐き切れない。

 3ターン目の動きがなかったライネスだが、思うように動けない天津飯を見て少し考え…《ルソー・モンテス》でシールドをブレイク。
 一見何の得もしない行動。その理由は、《“轟轟轟“ブランド》の召喚を封じつつ手札1枚以下でないとアタックできない《轟車 “G-突“》の攻撃を防ぎ、より準備を整えた状態でシールドブレイクをさせるため。
 結果的にこれが功を奏し、天津飯の動きはマナチャージからの《ミサイル “J-飛“》のみ。
 なかなか強い動きができず、厳しい表情だ。

 ライネスは《ブレイン・タイフーン》で手札を整えつつ、《ブレイン・ストーム》を墓地へ置きフィニッシュの準備を整える。
 さらに《ルソー・モンテス》で追加のブレイクをするが…《ロジック・サークル》をトリガー。ツインパクトである《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》をデッキトップに運ぶ。

 …このプレイが意味することは、続くデッキトップは《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》で十分だったということ。
 天津飯の実質ラストターンとなる4ターン目。手札に溜め込んだ火薬に火を点ける準備はできた。

 その手札からは《グレイト “S-駆“》《奇石 ミクセル》。
 1枚となった手札からは、もちろん”アイツ”。《“轟轟轟“ブランド》!!
 追加ドローで《“轟轟轟“ブランド》が連鎖し、致死打点+1を一気に形成。ライネスに5ターン目は与えない。
 さらに添えられた《奇石 ミクセル》がいい仕事を果たしている。トリガー《サイバー・I・チョイス》からの《遣宮使 ネオンクス》を先にデッキボトムに送ることで、このデッキの真価であるブレイン呪文連鎖を止めることができる。

 …さあ、勝負はこの5枚のシールドの中に。
 まずは《“轟轟轟“ブランド》でWブレイク。

 

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 これがなんと《サイバー・I・チョイス》、それに加えて《失われし禁術の復元》をトリガー!

 今までのライネスのプレイが全て噛み合った。
 シールドブレイクで《轟車 “G-突“》の攻撃を防ぎ、墓地に《ブレイン・ストーム》を置いた上でシールドブレイクを迎える。
 全ての布石を打ってこの盤面を作り上げたライネス。最後の締めに取り掛かる。

 まずは《失われし禁術の復元》の効果で《ブレイン・ストーム》、3枚ドロー。
 《ブレイン・ストーム》の効果でデッキトップに2枚のカードが置かれる。

 そして、《サイバー・I・チョイス》からは《遣宮使 ネオンクス》。
 仕込まれたデッキトップは、もちろん。

 

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 全てが闇に葬られ、《伝説の禁断 ドキンダムX》が天津飯の息の根を止めた。

 WINNER:ライネス


 一見完璧に見えたライネスのプランだったが、1つだけ足りないパーツがあったという。

 「《オールデリート》、《ブレイン・ストーム》の最後のドローで引いてきたんですよ」

 なんと、ここまでのドローで《オールデリート》が未だ見えていなかったという。
 《遣宮使 ネオンクス》連鎖が起きない状況でこの勝利、ある種交通事故のようなものだったとも言える。

 …大前提の話を忘れていた。”強い”テロリストになるために、最低限必要なもの。
 それは最強の構築でも、完璧なプレイでもない。
 理論では言い表せない、圧倒的な”強運”。

 勢いに乗るラスト・テロリスト。残るターゲットは、あと2人。