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第5回DM京都CS 準決勝:スライ無 vs. フェアリー/AYN

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 第5回DM京都CS
 準決勝:スライ無 vs. フェアリー/AYN

 

 Writer:◆ドラえもん

 

 

 長かった京都CSもついに準決勝を迎える。
 今回フィーチャーテーブルに呼ばれた二人はそれぞれ本戦1回戦、2回戦にて既にフィーチャー済み。

 今大会の台風の目、赤青クラッシュ覇道を使うスライ無。
 環境筆頭、黒単デスザークを操るDMYouTube界のカリスマ、フェアリー/AYN。

 デッキ選択でも対照的な彼らだが、生まれも違えば、年齢も離れている。しかしそんな二人には共通点がある。それは、頼もしい「相棒」の存在。

 フェアリーの相棒は言うまでも無く、『ZweiLance』。Youtubeでの輝かしい成功も二人であったからこそ掴めたものであろう。そのZweiLanceは今シーズンのDMPランキングでの全国大会出場を目指しており、現在の順位はそれに十分に届く範囲に居る。そんな彼だが、今大会はフェアリーと同じデッキを使い、ベスト8で散っている。


 対してスライ無の相棒、いや師匠と呼ぶべきか、その人物は2016年の全国大会で3位という実績を持つ『武田』だ。武田は全国大会で《超次元サプライズ・ホール》入りの赤白バイクを使って駆け抜けたことからも見て取れる様に、独自のチューニングを施すことで知られている。そんな武田も今大会はZweiLanceと同じくベスト8で敗退している。
 基本的に二人は、京都府内のCSにしか顔を出さないのだが、参加したCSにおいては、必ずどちらかが異質なデッキで上位を掻っ攫っていくというイメージさえある。まさに京都を代表する鬼デッキビルダーコンビとも言えよう。


 スライ無とフェアリーはどちらも、散っていった相棒の無念と期待を背負ってここにいる。後ろを振り返ってみると、武田がスライ無を見守るかのような視線を送っている。どうやらZweiLanceの姿は無いようだが・・・。

 いよいよ準決勝が始まる。全国大会経験者の師を持つ京都の鬼才vs相棒と全国大会を目指すDM界のカリスマ。最後まで立っていられるのは果たしてどちらだ。

 

 先攻を取ったのはスライ無。θクラッシュ覇道vsデスザークのマッチアップなら、先攻を取った側が圧倒的有利だということが知られているが、赤青なら果たしてどうなるか?
 最初のマナチャージは《”末法”チュリス》。ここで早速フェアリーは効果を確認。
 対するフェアリーは《撃髄医 スパイナー》をマナチャージ。

 2ターン目。
 スライ無は《ドンドン吸い込むナウ》をマナチャージして終了。
 フェアリーも2枚目の《撃髄医 スパイナー》をマナチャージして終了と、お互いに2ターン目までにこれといった動きは無い。スライ無側としては先攻で少ないハンドリソースを《堕魔 ドゥポイズ》等で無為に削られないためのハンドキープも考えられる。そして、スライ無が先攻ということは4ターン目の《“乱振”舞神 G・W・D》が非常に刺さる。フェアリーが余計な魔導具を展開しなかったのはそれをケアしての事かもしれない。

 3ターン目、スライ無は《崇高なる智略 オクトーパ》をチャージして、《異端流し オニカマス》を召喚。《堕魔 ドゥポイズ》とブロック以外での除去方法がない打点はそれだけで脅威となる。
 フェアリーは《堕魔 ヴォーミラ》をチャージし、《堕魔 グリギャン》を召喚。無月の準備を進めつつ《異端流し オニカマス》の攻撃を咎める。

 4ターン目にスライ無は《“乱振”舞神 G・W・D》を召喚し、先攻の優位を広げようとしていく。《堕魔 グリギャン》はバトル効果で破壊されスライ無は1ドロー、フェアリーのデスザーク着地がまた一歩遠のく。
 《“乱振”舞神 G・W・D》はフェアリーのシールドを1枚ブレイク。すると《撃髄医 スパイナー》がトリガーする。このタイミングで踏むのはスライ無にとっては好都合だろう。既に攻撃を終えた《“乱振”舞神 G・W・D》のみが《撃髄医 スパイナー》の効果で退場した。

 続くフェアリーのターン。《堕魔 ヴォーミラ》を召喚し墓地肥やし、墓地に《卍 デ・スザーク 卍 》も《卍月 ガ・リュザーク 卍》も見えないが、魔導具の純度はかなり高い。
 予想通り、4ターン目にして早くも手札から《卍月 ガ・リュザーク 卍》が降臨。

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 これによりスライ無のマナは1枚縛られて、5ターン目にして使えるマナは4枚。しかし、負けじと2枚目の《“乱振”舞神 G・W・D》、《堕魔 ヴォーミラ》と《撃髄医 スパイナー》を破壊して着々とフェアリーの盾を削りつつハンドを蓄えていく。

 フェアリーのターン、墓地には魔導具1枚ながらも4枚という十分な手札、場には《卍月 ガ・リュザーク 卍》。そして当然彼は持っている、《堕魔 ヴォガイガ》。このまま《卍 デ・スザーク 卍 》まで着地すると、スライ無の勝機は薄くなる。
 しかし《堕魔 ヴォガイガ》効果の結果、墓地には《堕魔 ヴォーミラ》1枚と非魔導具3枚という落ち。《堕魔 ヴォーミラ》を回収してエンド。

 スライムはこの6ターン目も4マナしか使えない。確かに《卍月 ガ・リュザーク 卍》は効いているが、スライ無が《“必駆”蛮触礼亞》と《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》を持っていれば、ほぼゲームは決まってしまう、そんな運命のターン。
 スライムがマナチャージから出したのは《ゴリガン砕車 ゴルドーザ》。相手の盾を全て割り切る、徹底攻勢の構え。しかしこのターンでゲームを決められなかったのは辛い。

 前のターンよりも状況は良いのか悪いのか、またも墓地に魔導具1、場には《堕魔 ヴォガイガ》と《卍月 ガ・リュザーク 卍》、手札もさっきより多いが盾は0という状況。フェアリー側としても1歩詰め方を間違えれば逆転を許してしまう状況だ。
 マナチャージから《堕魔 ヴォガイガ》2枚目を追加し《卍 デ・スザーク 卍 》宣言。《堕魔 ヴォガイガ》効果の回収は《堕魔 ドゥポイズ》回収。残りマナは3。
 《堕魔 ドゥグラス》を出して《卍月 ガ・リュザーク 卍》で《異端流し オニカマス》を殴り返してエンド。

 スライ無は力強くドロー。しかし期待していたカードはそこにはなかったようでマナチャージのみで7ターン目を終える。

 順調にマナを伸ばしていくフェアリー。《追憶人形ラビリピト》を召喚、効果で手札から落としたのは《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》。更に《卍 デ・スザーク 卍 》やブロッカーを守るための《堕魔 グリナイブ》を召喚して、ターンを終了。《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》1体ではもう突破出来ない。

 スライ無は《”末法”チュリス》召喚。踏み倒し効果では何も出さず、そのままターン終了。

 フェアリーは《堕魔 ドゥリンリ》チャージし、《卍 デ・スザーク 卍 》を8マナで召喚、その効果と《追憶人形ラビリピト》の効果で盤面も手札も全て墓地へ。

 スライ無に出来るアクションはいよいよ無くなった。続くターンもドローのみでチャージもせずにターンを終える。

 フェアリーは《卍月 ガ・リュザーク 卍》を9マナで出して更にハンデス。ここまで来れば後は殴り方だがどう詰めるか?

 《卍 デ・スザーク 卍 》の2点で《ドンドン吸い込むナウ》がトリガー。回収したのは追加の《ドンドン吸い込むナウ》。
 続いて《堕魔 グリナイブ》1点。

 スライ無『考えます』

 殴れるクリーチャーを確認した上で、トリガーは使わず。

 勿論追加の《卍月 ガ・リュザーク 卍》があるならばフェアリーも一度全ハンデスを挟み、詰めていくことも出来ただろうが、今回はそれをするだけの余裕はない。なれば、ここでターンを返すのはかえって危険。

 デスザークでの2点。スライ無の盾にはトリガーは無かった。

 WINNER:フェアリー/AYN

 聞いてみたところ、最後の《堕魔 グリナイブ》で踏んだのは《崇高なる智略 オクトーパ》だったらしい。それを出しても焼け石に水だと判断し、最後の2枚の盾から《終末の時計 ザ・クロック》が捲れることに賭けたということだ。
 勿論フェアリーも《終末の時計 ザ・クロック》が公開領域に3枚見えていたからこそ強気に盾を攻撃していったのであるが。


 対戦を終えた二人の顔には悔しさや満足感だけでなく、緊張が残っているかのようにも見えた。その緊張がこれから始まる三位決定戦と決勝戦へのものなのか、それとも二日後のGPへのものでもあるのかは自分には分からない。

 しかし、自分が知っているのは、フェアリー選手がこの試合と続く決勝戦からインスピレーションを得て、GPにて赤青クラッシュ覇道を使用するのは、もう少し未来の話という事だ。