第1回はっちDMCS予選7回戦:ガルルvs.プラズマ
第1回はっちDMCS
予選7回戦:ガルルvs.プラズマ
俺フィーチャーが初めて実施された3年前、2015年の関西エリア。
初の俺フィーチャーに招かれたのはAQUAWAVEリーダーのmaruga、そして…"霊王"プラズマである。
霊王の名は、昔からゴーストの種族デッキを愛用していたことにある。
残念ながらゴーストを使用していた頃の彼はこの目で見ていなかったのだが、筆者が感じる彼の印象を一言で表すと…デッキ製造機。
CSに環境デッキを持ち込むことはほぼなく、彼の使用デッキはたいていCS会場に1人しかいないようなローグデッキ。
その構築はほとんどが完全オリジナル、しかも1度持ち込んだデッキを再び持ち込むことはほとんどない。
ファンからガチまで、ことデッキを考案することに関しては筆者が知る限り間違いなく最高峰のビルダー。特にコンボデッキの完成度に定評があり、新弾の誰も使わないようなカードでありえないコンボを決めるのはもはや日常茶飯事。
ルールについての造詣も深く、認定ジャッジとしてCSやGPでフロアを駆け回る姿も珍しくない。
そのスタイルから上位進出する姿はあまり見られない彼だが、予選6回を終えてここまで5-1と、予選突破に王手をかけている。
対戦相手のガルルも黒単デスザークを用いここまで同じく5-1。
予選最後の戦い。彼らには本戦進出を賭けた予選最終戦が始まった。
先攻:ガルル
後攻プラズマ、《凶鬼96号 ガースー/黒光りの毒ガス》という珍しいカードをセット。
対するガルルは《卍月 ガ・リュザーク 卍/卍・獄・殺》のセットから概ね黒単デスザークと見ていいだろう。その見立て通り3ターン目のアクションは《堕魔 グリール》。
それに対してプラズマは《堕魔 ドゥポイズ》を合わせる。マナには《“轟轟轟“ブランド》が見えるが、デッキの全貌が見えてこない。
ガルルは《堕魔 ヴォガイガ》から《堕魔 グリール》を回収。プラズマはこれに2枚目の《堕魔 ドゥポイズ》を合わせる。
2枚の除去を使わせた返し…ここでガルルは本命の《堕魔 ヴォーミラ》を召喚。これが残れば墓地の《堕魔 ヴォガイガ》を絡めたさらなる展開が期待できる。
が、プラズマはこれにも対処する。《終焉の開闢》からの《堕魔 ドゥポイズ》で《堕魔 ヴォーミラ》の生存を許さない。
除去の嵐に見舞われたガルルはついにカードパワーの高い魔道具が尽き、《堕魔 グリギャン》召喚のみでターンを終える。
ここまで耐えてきたプラズマ、ついにビッグアクションのターン。
まずは《終焉の開闢》で《“轟轟轟“ブランド》を回収。
そして残りのマナは3枚、墓地は…9枚。
降り立った《暴走龍 5000GT》!!
そう、プラズマのデッキは除去を多めに搭載した赤黒墓地ソース。ここまで耐えてきた分、浴びせるカウンターは強烈。デスザークを操るガルルにとって、この《暴走龍 5000GT》を処理する手段はかなり限られる。
さらに回収した《“轟轟轟“ブランド》も合わせて、一気にシールドを攻め立てる!まずは《暴走龍 5000GT》のトリプルブレイク…
そう、プラズマの墓地は9枚。
《堕魔 ヴォガイガ》を使用したガルルの墓地と足し合われば…
当然、13枚以上となる。
トリガー《卍・獄・殺》!!
枷になり得る《暴走龍 5000GT》を含むプラズマの打点を焼き払う。
ガルルはすかさず《堕魔 ヴォガイガ》から《卍月 ガ・リュザーク 卍》。プラズマのマナはフルタップ状態、1ターンの猶予はあるだろう。
プラズマはマナ3枚起こし、《マッド・デーモン閣下 /デーモン・ハンド》を置きながらエンド。このときプラズマの手札には《ルソー・モンテス/法と契約の秤》があり、ターンが返れば追加打点を作れる状況。
だがそれをガルルの《追憶人形ラビリピト》が撃ち落とす。プラズマに逆転のチャンスを与えない。
そして長くデュエル・マスターズをプレイするプラズマは知っている。
得てして逆転のチャンスは、トップデックから舞い降りてくるのだと。
トップデックから舞い降りたのは、《マッド・デーモン閣下》!
効果で墓地から回収するのは…もちろん《暴走龍 5000GT》!!
ガルルの小型を一掃しながら残り2枚のシールドを叩き割る。《卍月 ガ・リュザーク 卍》のパワーでは《暴走龍 5000GT》を倒すことはできず、ガルルの回答策はかなり限られる。
8マナを保持するガルルは、これを全て使い《卍 デ・スザーク 卍》。
《暴走龍 5000GT》が葬られるが、無月の門を有した《卍 デ・スザーク 卍》は盤面になく、トップからスピードアタッカーが出るだけでゲームが終わってしまう。
とはいえ先のターンに動いたプラズマを《卍月 ガ・リュザーク 卍》が縛り上げ、ドローエンド。ガルルが《追憶人形ラビリピト》で叩き落すと…中身は《ルソー・モンテス/法と契約の秤》!
ギリギリのところで生き永らえたガルル、盤面には致死打点。
ここを乗り切れば勝利は近い。祈りを込めてターンを返す。
そんなガルルにとって最大の不運は、相手のプラズマがこの状況を構築段階から想定してきたことだった。
プラズマ独自のチューニングがなされたこのデッキのコンセプトは、「トップデックを極力強くする」こと。
《ルソー・モンテス/法と契約の秤》が落とされようが関係ない。解答はデッキの大半を占める。
その中には、ここまであまり見えていなかった墓地ソースの代名詞だって。
デッキトップから駆け付けたのは、《百万超邪 クロスファイア》。
このダイレクトアタックが、プラズマを決勝トーナメントへと導いた!
WINNER:プラズマ
かなりの古参であるプラズマだが、個人でのベスト8は未だなしえていないという。
次回戦が肝。予選を抜けても気が抜けない。